お前の犬にならない

gakus2005-04-25

 「ダニー・ザ・ドッグ」(6月公開)はリュック・ベッソン脚本、すなわちヨーロッパコープ製作のアクション。ヨーロッパコープの映画には首を傾げるモノが多いけれど、今回は同社の作品ではもっとも面白い(と個人的には思っている)「キス・オブ・ザ・ドラゴン」のジェット・リーとのコンビ。ツッコミどころは多々あるものの、なかなか楽しめました。

 ヤクザな金貸しの下で、小さいころから闘犬のように育てられ、戦うことしか知らなかった男(ジェット・リー)が、盲目のピアノの調律師(モーガン・フリーマン)に助けられ、人間らしい感情に目覚めるという物語。ジェット・リーのアクションは今回も凄まじく、敵に掴みかかるや凄いスピードでパンチを連打。クライマックスでは、ワンインチ・パンチがやっとと思える狭いスペースで格闘を演じ、さすがと思わせる。

 それはともかく、このスコア、マッシヴ・アタック/MASSIVE ATTACKがやっていたとは知らなかった。ユルいダンス・ミュージックが多いブリストル系の音楽は肌に合わないので敬遠していたんだけど、こういうアクション映画のバックとして聴くと、意外にいい感じで雰囲気がある。舞台はブリストルではなく地形的には対極にあるグラスゴーだが、その古都然とした風景も印象的で、どちらかというと垢抜けないヨーロッパコープ作品とは、そういう点でも一線を画している…というか、音楽や風景や音楽が、今回はバタくささを中和しているのかもしれません。

 ヨーロッパコープ作品といえば、「クリムゾン・リバー2」ではイギー・ポップ&ストゥージズのナンバーが使用されていたこともあり『I Wanna Be Your Dog』がかかったら皮肉だな…と考えたが、それは思い過ごしでした。というワケで、ジャケはマッシヴ・アタックによるサントラ盤。