ドールズが来る!
セックス・ピストルズのリユニオン以来、どんなバンドが再結成しても簡単には驚かなくなった。しかし、これは!とビビッたのがニューヨーク・ドールズ/NEW YORK DOLLS。今年ロンドンのフェスで、モリッシー/MORRISSEYの切望により再結成が実現。そのドールズが9月、日本にやってくる!
ドールズを知らない方のために簡単に説明すると、1870年代のアメリカを代表するグラムロックバンド。オリジナルアルバムこそ2枚残したのみだが、セックス・ピストルズ等の後のパンクバンドに多大な影響をあたえた。
映画「ベルベット・ゴールドマイン」では、ファースト・アルバム『THE NEW YORK DOLLS』(写真)のオープニングを飾るキラー・チューン『PERSONARITY CRISIS』が使用されていた。ティーンエイジ・ファンクラブ/TEENAGE FANCLUBとドナ・マシューズ/DONNA MATTHEWS(元ELASTICA)によるカバーだったが、ドナ自身が出演してキレたパフォーマンスを演じていたこともあり、強烈に印象に残った。
ふー…と落ち着いたところで、ふと疑問が沸き起こる。今は亡きギタリスト、ジョニー・サンダースとドラマー、ジェリー・ノーラン抜きでもドールズか!? むむむ、正直なところ、よくわからない。
再結成自体、コピーバンドの出来の良いものぐらいの感覚で受け止めるようにしている。ピストルズの再結成公演だって、もはや伝説のバンドのテンションではなく、ジョニー・ロットンは完全に道化を演じていた(意図的に)。それを観た自分はどうだった? 楽しかった。神とか伝説とか、そういう概念がどうでもよくなった。偶像崇拝なんて止めて、てめえを信ろ! ロックは、元々そういうことを教えてくれる音楽ではなかったか?
『PERSONARITY CRISIS』だって、突き詰めればそういう歌である。ジョニー・サンダースがドールズ脱退後に発表したアルバムは今でも大好き。しかしドラッグの過剰摂取で死んだアーティストを盲目的に信奉するほど、こちらも若くはないし繊細でもない。むしろ生き延びて、醜態をさらしながらも自分で出来ることを続けているアーティスト(そう、ジョニー・ロットン改めジョン・ライドンのような)にこそ、今となっては魅力を感じる。
先週末、子どもが英会話教室から借りてきたビデオを観ていたが、それは偶然にも「3人のゴースト」。ドールズのボーカリスト、デヴィッド・ヨハンセンが、ボロボロのゴースト役で出演している。
というわけでドールズ公演。当初、噂ではサンダースの代わりに元ガンズ・アンド・ローゼズのイジー・ストラドリン、ドラマーにリバティーンズの人(名前ド忘れ…)が予定されていたが、ロンドン公演ではイジーは参加しなかった模様。何はともあれ、楽しみである。