駄目ジャケ100選

 モータウンといえば、この人は、もう10年以上前に故人となった。テンプテイションズ/TEMPTATIONSのメンバーとして一時代を築き、『MY GIRL』などの名曲を残したデビッド・ラフィン/DAVID RUFFIN。多くのヒット曲でリードをとったことで有頂天になり、いち早くグループを抜けて1968年に発表した2枚目のソロアルバムがこれ。内容は文句なしにかっこいい、表現力に富んだハスキーなボーカルを堪能できる好盤ですが…。

 城みちる等の日本の歌謡界や、映画「オースティン・パワーズ」にも影響をあたえた(かもしれない)、デカいジャケットの袖口や襟からフリルが覗く、この装い。そして白い歯に満面の笑み。『FEELIN' GOOD』というタイトルがついているが、よほど気持ち良かったのでしょう。愛想が良いにも程があるというか、明るすぎてコワい…。

 テンプテイションズ脱退後のデビッド・ラフィンは、ロジェ・バディム監督の映画「バーバレラ」への出演に前向きだったとか。残念ながらモータウンとの契約の関係で実現しなかったものの、出ていたら何の役をやっていたのか気になる。ちなみに最初のソロアルバム『MY WHOLE WORLD ENDED』は、額に手を当てて陰鬱そうにうつむいているポーズのアップ。好対照です。