駄目ジャケ100選

(その4)

 このジャケだけで音を想像するのは、極めて困難だが、“アツい”音楽をやっていることだけは一目瞭然。ミジンコのように顔中を這い回る汗。鼻の下のそれは、もはや鼻汁と判別がつかず。眉毛と瞳の中間にも汗をためこむ器用さは妙味。そしてこの力みまくった、やたらと色つやの良い薄毛顔! 何をそんなに力を入れているのだろう? 顔ジャケの王道といえばキング・クリムゾン『クリムゾンキングの宮殿』を超えるものはなかなかないけれど、これはイイ線行っていると思います。

 で、ブラスターズ/THE BLASTERSは1980年代前半のLAインディーズ界で活躍していたロックンロールバンドで、ロカビリーやらカントリーやらのルーツミュージックを基盤にしたイキでイナセな5人組。このアルバムは1982年にリリースされたセカンド(邦題『ハリウッド旋風』!)で、シンプルながらノリのいい楽曲を凝縮。ケビン・コスナー主演の映画「さよならゲーム」では、このアルバムからロカビリー節炸裂の『SO LONG BABY GOODBYE』が使用されていました。また、このアルバムではないけれど、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」でも彼らのナンバーが使われていて、やたらとかっこよかったのを覚えている。ジャケットのイラストは、おそらくボーカル、フィル・アルヴィンのシャウト顔。