アイがなくっちゃね

gakus2004-11-05

 1985年にエチオピア難民救済のチャリティー・イベントとして開催されたLIVE AIDがDVD化される。

 イギリスの人気アーティストが結集したチャリティ・シングル『DO THEY KNOW IT'S CHRISTMAS』、そのアメリカ版『WE ARE THE WORLD』に導かれたこのイベント、当時は確かに盛り上がったが、何となく違和感も感じていた。それは、前記2枚のシングルがそれほど好きではなかったから。当時この一連のチャリティに批判的だった THE SMITHSMORRISSEYは“難民救済は結構だが、おかげであのひどい曲に毎日、悩まされている"とお得意の毒舌で非難した。

 ヒドい曲とは言わないまでも、演奏する側の主体性が欠如している点は、どうもしっくり来なかった。“世界に食料を"と訴えられても、“私たちは世界そのもの"と漠然とした共同幻想を投げかけられても、それを音楽で歌わなくちゃいけないのかな、と。ロック・アーティストを配しながらも、全然ロックとは思えない。そこに“俺は、こうだ、こうする”という明確な自己主張がないから、なんだか他人事にしか聴こえなかった。まあ、そう思いながらも、メンツにあがなえずどっちも買ってしまったのですが…。

 その点、今年観た2本のドキュメンタリー「華氏911」「スーパーサイズ・ミー」は最初に“I(俺)”ありきの映画。マイケル・ムーアモーガン・スパーロックも、最初に自分の立ち位置を明かし、自己主張の熱を、説得力をもって周囲に伝染させる作りになっている。ドキュメンタリーとして正しいとか正しくないとかはどうでしもいいし、正直よくわからない。しかしムーアやスパーロックの意志には、観客の気持ちを熱くさせるものが確かに潜んでいた。

 今年『DO THEY KONW IT'S CHRISTMAS』がメンツを一新して再演されるという。どうなることやら…。

 なんか最近、ガンコ爺のような小言が多いな。ジャケは今も毒舌健在、再演バンド・エイドに関するコメントをぜひ聞きたいモリッシー/MORRISSEYの最新シングル『LET ME KISS YOU』。

 明日は『LET'S ROCK AGAIN』について書きます。今日はどーもでした>muraさん