エルビスがいっぱい

　「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」のジョエル・ズウィック監督が手がけたラブコメディー「トラブルINベガス」(６月公開)を観る。

　主人公は、仕事はできるが私生活では孤独をつのらせる化粧品のセールスウーマン(キム・ベイシンガー)。プレスリーのそっくりさん大会が開かれるベガスで仕事に励んでいた彼女だったが、知り合うプレスリーのそっくりさんたちが、どういうわけか次々と事故死する。やがて理想の男性(「マイ・ビッグ・ファット…」のジョン・コーベット)と知り合うも、彼がプレスリーのコスプレ用衣装を持っていたことから、“彼が死んでしまうのでは?"と不安に駆られる。

　プレスリーのそっくりさんを登場させるだけで、映画が笑えるものになるのは「ハネムーン・イン・ベガス」でも実証済み。とんでもないオデブちゃんが、リーゼント＆もみあげカツラをつけ、フリンジのついた胸開き衣装を着ている、それだけでコメディーとしては絵になる。しかし、そんなコスプレ・マニアに“いいかげん大人になれ!"と鉄槌を下すようなストーリー。けっこうブラックです。

　音楽はプレスリー・ナンバー主体…というか、ほぼ全編、プレスリーのヒット曲が流れているような印象を受ける。プレスリー自身の歌はもちろん、そっくりさんも歌ってるんだから、それも当然か。キム・ベイシンガーがひとりで口ずさみ、不意にジョン・コーベットがデュエットのように加わってくる『ALWAYS ON MY MIND』は、ドラマの展開的にもハマッていた。

　プレスリーのレコードはホント、持ってないし、まあ我々の世代で『ALWAYS ON MIND』といいえば、ペット・ショップ・ボーイズのカバーが有名だよなあ。というわけで、この曲を収録したPET SHOP BOYSのシングル集『DISCOGRAPHY』を。

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