ひとりストーンズ!?
「パイレーツ・オブ・カリビアン」でジョニー・デップがローリング・ストーンズのキース・リチャーズのステージアクションを役作りに取り入れたのは有名な話で、製作中のその続編にはキース本人も出演するといううわさがある。で、そんなイメージがこびりついていたせいか、今週アメリカで公開された「チャーリーとチョコレート工場」(監督:ティム・バートン)でのジョニー・デップは、「ロックンロール・サーカス」のときのストーンズ、とりわけミック・ジャガーを意識しているように思えた。髪型はブライアン・ジョーンズですが…。
有名な児童文学を映画化した、この映画でデップがふんするのは、チョコレート工場を仕切る謎めいた経営者ウィリー・ウォンカ。どこか人を食ったキャラクターで、とらえどころがない(少なくとも前半は)。
ローリング・ストーンズの「ロックンロール・サーカス」は、その名のとおり、ロックコンサートとサーカスを融合した1968年のイベントで、当初はTV放映が予定されていて、その模様がフィルムに収められたが、結局は1990年代までお蔵入り。現在はビデオやDVD、CD(画像)で、その模様を体感することができる。ストーンズの他、ジョン・レノンやザ・フーも出演している。で、ここでのミック・ジャガー、サーカスの座長よろしく山高帽をかぶり調子よく前口上をぶってみたりする。ひょうひょうとしていて山師風情で挙動不審。バンドのパフォーマンスでもカメラ目線で不敵な笑みを漏らしたり、流し目を決めてみたりなど、いかがわしさ満点。
デップが今回の役で、このミックを参考にしたかどうかは知らないが、ロックファンの彼のこと、無意識にすりこまれていても不思議ではないのでは…と考えると、「ネバーランド」での一見英国紳士だが中身は子供ったぽいキャラも、実はチャーリー・ワッツではないか…と妄想は広がる。
ついでに記しておくと、「チャーリーとチョコレート工場」では子供たちを戒めるミュージカル・ナンバーがフィーチャーされていて、ソウル風だったり、ソフトロック調だったり、クイーンのようなドラマチック・ロックだったりと、バリエーションに富んだオリジナル曲で楽しませてくれる。ダニー・エルフマンのいい仕事。
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