マーダー・プレリュード

gakus2005-10-28

 10月12日の日記に記した「ダウン・イン・ザ・バレー」の監督デビッド・ジェイコブソンは長編劇映画としては、これが監督3作目。そのドライなタッチに要注目かと思い、彼の前作で日本では劇場未公開だった「ジェフリー・ダーマー」をチェック。実在した有名なシリアルキラー、ジェフリー・ダーマーの凶行を描いた、この映画は案の定スリラー寄りではなく、生理や心理に迫る淡々とした映画だった。バイオレンスを期待すると肩透かしを食らうが、これはこれでこの監督の色なのだろう。

 ジェフリー・ダーマーは、以前読んだ本にはブラック・サバスのファンで、オカルト好きだったと記されていた覚えがある。が、ここではブラック・サバス系統のおどろおどろしいハードロックは皆無。ダーマーが入り浸っていたゲイ・クラブの音楽はダンス寄りだし、彼の部屋で流れる音楽もシックな感じ。口の達者な黒人青年を家に連れ込み、酔わせて一緒踊るシーンがあったが、このシーンではGLADYS KNIGHT & THE PIPSの1960年代のヒット曲『EVERY BEAT OF MY HEART』が流れてくる。“いいムード"になる好バラードだが、もちろんダーマーにしてみれば獲物を狩るための前奏曲に過ぎない。

 ジャケはグラディス・ナイト&ザ・ピップス、モータウン時代の代表曲をコンパイルした『ANTHOLOGY』。『I HEARED IT THROUGH THE GRAPEVINE』『EVERYBODY NEEDS LOVE』など、おいしいとこどりの全40曲2枚組。

ジェフリー・ダーマー [DVD]

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