驚くべきポップ・センス
遅くなりましたが、気恥ずかしい80'sフレイバー満点の『ラブソングができるまで』についてのお話を。
1980年代に一世を風靡した人気バンド、Pop!のフロントマンだったアレックス(ヒュー・グラント)も今や“あの人は今”的な存在で、同窓会やイベントのステージに立ち、腰振りダンスを披露しながらカラオケをバックに歌う日々。そんな彼に、今をときめく人気女性シンガーへの楽曲提供の話が舞い込む。作詞の苦手なアレックスは、偶然知り合った植木の世話人(ドリュー・バリモア)の助けを得て、作曲に励むが…。
前回のエントリーで記したナンバーをはじめ、Pop!のオリジナルソングは80’sポップのテイストを汲んでおり、シンセ・ドラムやチープなキーボードのアレンジがいい感じで響く。WHAM!の『ケアレス・ウィスパー』に激似のナンバーも登場(歌詞も二股男の悲哀を歌ったものだった)。
これらのオリジナル曲を手がけたのはFOUNTAINS OF WAYNEのアダム・シュレシンジャー。トム・ハンクス監督作『すべてをあなたに』では1960年代風の映画オリジナルのナンバーを提供してアカデミー主題歌賞にノミネートされていたが、80'sも軽々とこなしてしまうとは。器用なポップ・センスに驚かされる。
そのFOUNTAINSの曲『RADIATION VIBE』がCDショップで流れていたり、アダムのサイド・プロジェクト、IVYのナンバーが、ヒュー・グラントがドリューの姉のエステショップに入るシーンでフィーチャーされたりと、“今"のアダムの曲も劇中では聴ける。他、前回のエントリーでジャケを載せたTHE SOUNDS『TONY THE BEAT』はパーティーのシーンでの起用。
ジャケはFOUNTAINS OF WAYNE、『RADIATION VIBE』をオープニングに配した1996年のデビュー・アルバム。
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