気恥ずかしいほどアツい
香港の鬼才ウォン・カーウァイが、初めて英語圏で撮った新作『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(3月公開)。失恋したNYの女性(人気シンガーソングライター、ノラ・ジョーンズ初主演)が一年間の旅を経て、ようやく新たな恋に目覚めるまでを描いたラブストーリー。ロマンチストのカーウァイらしく、いかにもな口説きセリフが多いのだが、共演のジュード・ロウが“君のために(毎夜売れ残る)ブルーベリー・パイ”を毎日焼いていたんだ”などとシラッと言われると、さすがに気恥ずかしくなる。
それはさておき、ヒロインはNYを離れメンフィスでバーテンの仕事を始める。ここで遭遇するのが、デビッド・ストラザーンふんする警官。彼は別れた妻(レイチェル・ワイズ)に未練があり、夜毎バーに立ち寄っては酒を煽る。で、このバーのシーンで頻繁にかかるのがOTIS REDDINGの名曲“TRY A LITTLE TENDERNESS"。恋する男の激情が次第に高まるナンバーで、ストラザーンの情けないほどの惚れ具合がうかがえる。
この他、本作には主演のノラ・ジョーンズによるナンバーや、ライ・クーダーのスコアがフィーチャーされている。
ジャケはオーティス・レディング、オランダ・リリースのベスト盤『TRY A LITTLE TENDERNESS』。
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