姐御登場

gakus2009-02-12

 『ソウ』シリーズを4作目を最後に卒業したダーレン・リン・バウズマン監督の新作『REPO!』(3月公開)は、映画監督としてデビューする以前に彼が演出を務めた舞台ミュージカルの映画化。『スウィーニー・トッド』と同様に血みどろでゴシック感はあるが、こちらは近未来が舞台で血しぶきだけでなく臓物も大盤振る舞いのスプラッター・ミュージカル。

 舞台は臓器移植ビジネスが合法化され、健康な臓器がファッション・トレンドと化している世界。臓器ローンを払えなくなった者は”レポ”と呼ばれる取立人によって、強制的に臓器を奪われ命を落とす。その無慈悲さゆえ、レポは人々に恐れられていた。ある日、病弱な少女が大手臓器メーカーの社長から、病気を治してあげるという申し出を受ける。実はこの少女の父親はやむにやまれぬ事情からレポの仕事をしているのだが、彼女はその事実を知らずにいた。しかし、彼女が知らなかったのはそれだけではなく、父親と臓器メーカー社長との間には因縁が…。

 『スパイキッズ』シリーズのヒロイン、アレクサ・ベガが、その2、3作目で披露していた歌の上手さを活かし、主役格の少女を演じる他、有名なソプラノ歌手サラ・ブライトマンも出演。また、臓器メーカー社長のバカ娘にパリス・ヒルトンがふんしていて(一応、この人もシンガーですな)、顔面皮剥げなどの壮絶な見どころを提供してくれるが、怪演し過ぎたせいかラジー賞候補に…。

 音楽面での話題はX-JAPANYOSHIKIが音楽監修を務めていることで、全体的にゴスっぽいロックナンバーがフィーチャーされている。プレイヤーにはスリップノットやフィルターのメンバーが参加しているとのこと。バウハウスのデビッド・Jの名も発見!

 しかし、個人的に嬉しかった発見はジョーン・ジェットのカメオ出演。ヒロインが父親への反抗を歌うシーンで、ベッドルームがロックコンサートのライブ会場に変身。そこでギターを弾いてる人物、最初は男かと思ったら、ジョーンの姐御でした。ギターを弾きながらヒロインと見つめ合い、反抗心をあおり立てるような挑発的な表情を見せる。燃えるね。

 ジャケは、そのJOAN JETT、2004年のアルバム『NAKED』。来日公演を見に行ったのは、確かこのころだったような気が。