メタボ版『ダイ・ハード』

gakus2009-09-13

 昨日紹介した『40男のバージンロード』以上の1億ドル超えの全米大ヒット作でも、コメディーとなればDVDスルー。そんな不遇な映画『モール★コップ』はアダム・サンドラーのプロダクションが製作した作品。サンドラーは出ていないが、『チャックとラリー おかしな偽装結婚!?』で彼と共演した肥満俳優ケビン・ジェームズが主演を務める。

 ジェームズが演じるのは、警察官になりたいが低血糖症ゆえに何度も試験に失敗し、ショッピングモールの警備員に甘んじている男。永住権目当てで結婚した妻と離婚し、ひとり娘を男手で育てているお人好し。そんな彼がモールを乗っ取った強盗団一味に、たまたまそこに残っていたことから戦いを挑むことになる…という、『ダイ・ハード』的な展開に負け犬の奮闘とギャグ(人質にとられた片思いの女性を救うべく、巨体を揺らして通気孔の中を歩伏前進して、お約束通り落下…等)を詰め込んだ、いかにもサンドラー・テイストな痛快作。

 サンドラー作品らしく音楽も80年代色、とりわけアメリカンな産業ロックのノリが濃厚。パーティー会場では盛り上げ役のシンガーが、ボン・ジョヴィREOスピードワゴンの曲が歌っている。また、SURVIVORの"I CAN'T HOLD BACK"は愛のテーマ的な使われ方で、主人公がヒロインとスクーターの二人乗りをするシーンで鳴ったと思ったら、ラストでもダメ押し的に使われて、ちびっとグッときた。またエンドクレジットでは、しばらくその存在を忘れかけていたEDDIE MONEY、1982年のヒット曲"THINK I'M IN LOVE"が流れてきた。改めて聴くと、当時のエコー過剰な売れ線曲とは感触が異なる正統派のロックンロールで、これもちびっとグッと…。

 ジャケはその"THINK I'M IN LOVE"収録、EDDIE MONEY、1982年のアルバム『NO CONTROL』。このジャケ、ロバート・パーマーやブライアン・フェリーの先を行っていた!?