面白いかどうかはともかく

gakus2010-12-15

 うわー、またひと月も間が空いてしまった……と慌てつつ、お正月映画を少しでもフォローしておこうと思い、本日はクリスティーナ・アギレラ初主演作『バーレスク』の話を。

 アギレラがふんするのは、スターになる夢を追って田舎のバーを辞職してLAにやって来た女性。セクシーなダンスで人気を博するクラブ、バーレスクで職を得た彼女は、熱意と才能で瞬く間に店の人気者の座にのし上がる。しかし、バーレスクは地上げのターゲットにされ、負債を抱える女性オーナー(お久しぶりのシェール)は店を手放すか否かの選択を迫られていた…。

 ミュージカルと呼べる内容ではあるが、物語の途中でいきなり登場人物が歌い出すような、いわゆるミュージカル調の描写は冒頭のみ。それ以外の歌と踊りは、すべてバーレスクのステージ上で繰り広げられる。シェールが苦境に陥った心情を歌い上げるシーンも然り。

 正直なところ、物語そのものは古くからあるパターンで新鮮味が感じられない。アギレラも女優としての華や存在感があるとは言い難い。が、エンターテイナーとしての彼女の存在感は圧倒的に素晴らしい。ステージで繰り広げられるショウの描写は躍動感とエロティシズムによって、“おっ!”と思わせるものがある。

 アギレラパフォーマーとしての凄みは、冒頭でいきなり発揮される。田舎町のバーのウェイトレスだった彼女ふんする主人公が、そこでエタ・ジェイムスの“SOMETHING’S GOT A HOLD ON ME”をシャウト。白人らしからぬ…と言っては失礼だが、そのドスの効いたボーカルに引き込まれてしまった。『キャデラック・レコード』ではエタ・ジェイムスにふんしたビヨンセが、この曲を熱唱していたが、アギレラのそれも引けを取らないと思う。

 ジャケはETTA JAMES、1964年のライブ・アルバム『ROCKS THE HOUSE』。ここでも“SOMETHING’ GOT A HOLD ON ME”は冒頭に置かれ、強烈なシャウトで興奮させてくれます。

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