馬鹿ヒーロー
新年一発目の備忘録は、全米で先週末興収ランキングのナンバーワンにチャートインし、今週末に日本でも公開される明日から公開される『グリーン・ホーネット』。このタイトルだけでブルース・リー遺伝子が疼くのは、アラフフォー以上の世代であること確実。
厳格な父から新聞社を継いだボンクラ男(セス・ローゲン)が、紙面上の正義感を意に介さず、実際に正義の味方ちなることを決意。父の有能な助手兼運転手だったカンフーの達人(ジェイ・チョウ)とともに、悪を装って裏社会の目を欺き、マフィアの大物(クリストフ・ヴァルツ)に戦いを挑む…。
ぶっちゃけ、ブルース・リー作品の硬派なノリを期待すると肩透かしを食らう。監督がミシェル・ゴンドリーだからアクション映画にしてはエキセントリックで、彼らしい脳内描写はポップである、ことこのうえない。何よりユーモアが凝縮されている点がオリジナリティ。自分が最後に殴らないと追われない男のケンカ・シーンはとくにおかしい。そういう意味ではダメ男映画なので、“ブルース・リーの『グリーン・ホーネット』”を期待せず、“セス・ローゲンの『グリーン・ホーネット』として受け止めるべきだろう。カトー役のジェイ・チョウ、頑張ってるけれどチョイ、線が細いし。
で、ロック話。セス・ローゲンの映画はシンプルで勢いのあるナンバーの起用が目につくが、今回はヒーロー・アクションなのでその傾向は顕著。ローゲンが浮かれているパーティのシーンではローリング・ストーンズ“LIVE WITH ME”(窓からテレビを放るのは『コックサッカー・ブルース』へのオマージュ?)、ローゲンとジェイ・チョウのタッグ誕生シーンではWHITE STRIPES“BLUE ORCHID”、グリーン・ホーネットの活躍シーンではVAN HALEN“FEEL YOUR LOVE TONIGHT”と新旧とりまぜ、とにかくノリノリ。
ギャク的に印象に残ったのは、エンクレで流れるTHE GREENHORNESの曲で、“グリーンホー”つながりのダジャレかよ!とツッコミたくなる。ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトとはRaconteursつながりでもある。ジャケはその曲、“SAYING GOODBYE”を収録した2010年リリースのアルバム『4Stars』。
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