キャンプ

gakus2004-05-08

 来月公開予定という青春映画「キャンプ」を観る。

 ミュージカルスターを育てることを目的としたサマーキャンプ。そこに集った若者たちが、恋したり、友情を育んだりしながら、成長してゆくというお話。一歩間違えれば、テレ臭くなりそうな思春期モノだが、出てくる連中が“スターになるのは厳しいのでは?”と思えるようなルックスの若人ばかり…という点にリアルを感じ、好感が持てた。というかイタかったですよ、何の根拠もなく“俺って特別なんだ"的な自我を抱き、若い頃を過ごしたことのあるダメ人間には。

 アメリカ製インディーズ映画なのに、ワンダー・スタッフの『SIZE OF A COW』が使われていたことに、まず驚く。2度フィーチャーされたうち、最初はイントロだけでずっこけたが、2度目は小音ながらマイルス・ハントの歌声も聞けたので、意味もなくホッとする。他にはレインディア・セクション、スノー・パトロールなどのジープスターレーベルのアーティストのナンバーが使われていて、選曲がUK寄り。物語の終幕はオアシスだったし。あとは、ドン・ディクソンがアル中の講師役で出演していたことにもビックリ。見事に禿げ上がっちゃって…。

 ミュージカルスターを目指す若者たちの物語だけあって、登場人物が皆歌を歌っている(最後はトッド・ラングレンの曲も!)んだけど、もっとも印象的だったのは、主人公(この人だけ、わりとイケメン)がギターで弾き語るローリング・ストーンズの『WILD HORSES』。“荒馬でも俺を連れ去れはしなかった…"というタフガイ節の詞を持つ、フォーキーな、あの曲ですね。しかし、実際の主人公は一見、頼りがいがあるように見えて実は優柔不断で、悩みも多く、精神的にも決してタフではない、というのがミソ。荒馬をのりこなすような特別な存在に憧れても、なかなかなれるもんじゃない、という現実は、やはりイタい。

 写真はドン・ディクソン、1985年のファースト・ソロアルバム。ここからも曲が起用されてます。