ジェネレーションギャップ

gakus2004-07-02

ニコラス・ローグ監督、幻の一作「WALKABOUT 美しき冒険旅行」のビデオをいただいたので観ようとしたところ、2〜3秒間隔で画面にノイズが走り、トラッキング調節もままならず、観賞を断念。しかし“ローグが観たい”熱は収まらず、しょうがなく所蔵のビデオから「パフォーマンス・青春の罠」を観直した。

いつ観ても思うけど、これはこの時代(1960年代後半)のイギリスじゃないと、絶対に生まれ得なかった映画だよなあ…。スウィンギン・ロンドン時代の若者というのは、その上の世代には理解されにくいほどの存在だったのだなあ、と思う。どの時代にもジェネレーション・ギャップはあるけれど、この時代の断絶は特に深かったのだろう。「欲望」なんかもそうだけど、若いヤツらをモンスター視しているような雰囲気があり、シュールな展開にそれが表れているようで興味深い。この映画のなかのミック・ジャガー、ホントに狂ってるみたいだし。

共演のアニタ・パレンバーグは元々ブライアン・ジョーンズの恋人だったが、やがてキース・リチャーズに乗り換え、この映画のころにはミック・ジャガーとも関係を持っていたという。ストーンズ内部のグチャグチャの愛憎関係。保守的な英国のお年寄には、そりゃ理解されないだろう。

サントラに収録されているミック・ジャガーのソロ名義のナンバー『MEMO FROM TURNER』はバックをストーンズのメンバー、プラス、ライ・クーダーが務めているせいか、アルバム『ベガーズ・バンケット』『レット・イット・ブリード』に収められても不思議ではないほどブルージーかつワイルド。先述のアルバム2枚の威光が強烈すぎて、あまり日のあたらない曲だが、隠れた好ナンバーだと思う。

明日はブライアン・ジョーンズの命日。死の謎が解明されないまま、35年が過ぎようとしている。


パフォーマンス(青春の罠)

パフォーマンス(青春の罠)