お父さんのバックドロップ

gakus2004-07-28

 「お父さんのバックドロップ」の劇場公開を前にして、原作者である中島らも氏が亡くなられたのは、なんとも残念。この映画の感想を、ぜひ知りたかった。

 パッとしないプロレス団体を牽引しているレスラーが、反抗的な息子に自分の生き様を見せるべく異種格闘技に挑戦。スピードと若さで勝る空手チャンピオンを相手に、ひたすら立ち向かっていく…という物語。関西が舞台で、人情味や親子愛が強調された、ストレートな下町コメディー。単純な自分は、男の子の父親であるせいか、あっさりホロッとさせられてしまった。

 中島氏については、もう20年近い前だが、学生のころに読んでいた『宝島』で“てっちゃん”(写真)を書いてた人だよな…という印象がある程度で詳しくは知らないし、思いいれも強くない。当時の宝島は、今思い返すと屈折したサブカル感で人気を博していたから、この人もそういうトンガリキッズ(死語)なのだろう、と。そんな人の書いた小説の映画化が、けれんのない熱血ドラマになる…というのは、時代の流れを感じる。もちろん小説と映画とは別物だが、中島氏もそれなりに加齢を重ねたのだな、という妙な感慨に浸ったのも事実。ご冥福をお祈りします。

 映画のエンディングに流れるのは、スネオヘアーなる日本のバンドの『ストライク』というナンバー。疾走感あふれるギターポップでメロディーも切なげ。2週間前の映画を観た直後、かなり気に入ったので、すぐにCD屋に行ってみたら、まだ発売されていませんでした…。いつ出るのか、要チェックであります。