コックサッカーズ

gakus2004-08-18

 昨日に続いて「ゴッドファーザー&サン」の話を。シカゴ・ブルースを牽引したチェス・レコードの歴史をたどる、このドキュメンタリーでは、チェスの代表的アーティストの貴重な映像が盛りだくさん。マディ・ウォーターズハウリン・ウルフ、ウィリー・ディクソンなどなど、その演奏は異様な緊張感を帯びていて、つい引き込まれていまう。また、ローリング・ストーンズがデビュー後、シカゴのチェス・スタジオでレコーディングしたのは有名だが、このときの逸話も聞けるなど、音楽ファンには嬉しい映像が続々登場する。

 自分自身ストーンズを通じてブルースを知ったので、ストーンズが登場しただけで嬉しかった。そしてさらに嬉しい驚きだったのが1972年のストーンズのご乱交ツアーを追ったロバート・フランク監督のドキュメンタリー「コックサッカー・ブルース」の映像が使われていたこと。ストーンズ・ファンはご存知のとおり、セックス、ドラッグ&ロックンロールを本当に体現してしまった過激な内容ゆえに、半永久的に一般公開されることがないと言われている大問題のオクラ入り映画。チェス・レコードを売却した後にストーンズのマネージャーとなったマーシャル・チェスも出演しており、その放蕩時代を絵で見せるために、この映画のフッテージが起用されている。ミック・ジャガーが例の発禁ソング『コックサッカー・ブルース』を歌うシーンがチラリとあってたりして、これまた感激至極。この映画、海●版ビデオで比較的、簡単に手が入るが、そのぶん画像は恐ろしく荒い。とはいえ、ボロボロの音と映像を散々見続けた身にはクリアな映像というだけで感激だったりする。

 ジャケはご存知、1972年のストーンズのアルバム『メインストリートのならず者』。コラージュされた写真を撮ったのもロバート・フランク。こちらは良い仕事(?)。