ジョン・ヒューズ作品のサントラ

gakus2004-10-03

 昨日「恋しくて」について書いたらジョン・ヒューズ作品をあれこれ思い出したので、忘れぬうちに書き留めておこうと、思った次第です。

 ジョン・ヒューズは監督、プロデューサーとして、1980年代に青春映画の傑作を多数、手がけたが、音楽ファンとしてはそのサントラもチェックのし甲斐があった。このころのハリウッド映画には珍しく、イギリスのバンドのナンバーが多数起用されていて、時にそれはまったくの新曲だったりすることもあったから。「プリティ・イン・ピンク」に使われ、大ヒットしたオーケスラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク/OMDの『IF YOU LEAVE』や、ニュー・オーダー/NEW ORDERの『SHELLSHOCK』はベスト盤を除く彼らのオリジナルアルバムには未収録である。

 一方で、ロックコンピ・サントラのいい加減さを知らされたのもヒューズ作品だった。「ブレックファスト・クラブ」のサントラに収録された曲のうち、半分以上は映画では使用されていない。「プリティ・イン・ピンク」のサントラ(写真)に収録されたザ・スミス/THE SMITHSの「PLEASE,PLEASE,PLEASE LET ME GET WHAT I WANT」も、この映画では聴けず、なぜか後の「フェリスはある朝突然に」の、とても良い場面で使われていたり。そのころに染み付いた猜疑心のせいか(?)、最近のインスパイア盤という表示がなくても、ロックコンピ系のサントラ盤は、とりあえず疑ってかかるようにしている。

 とはいえ、いざ映画で流れるとやはり印象的で、先述の『IF YOU LEAVE』なんかは、あの泣けるエンディングとは切り離せないし、昨日書いた『CAN'T HELP FALLING IN LOVE』もまた然り。ヒューズは切ないメロディの起用法を心得ていた人だったのでしょう。

 余談ですが、ケビン・スミス監督の「ドグマ」ではジョン・ヒューズ作品が度々引用されている。サイレント・ボブ(演じるはスミス監督本人)は「プリティ・イン・ピンク」のエンディングでは、ムサい顔をしていながらも、いつも泣いてしまうとか、芸術の神ミューズは歴代興行収入ベスト20に入る作品に発想をあたえたが、“クリスマスに留守番している子供が泥棒をやっつける映画”には関知していないとか。大きく頷いてしまうところが多々ありました。


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