エロ・ロカビリー
1996年のフランス映画「アパートメント」をハリウッドでリメイクした「ホワイト・ライズ」(12月公開)の話。
2年前に理由もわからず立ち去った恋人の面影を追って、奔走する青年(ジョシュ・ハートネット)。そのまえに現われる、昔の恋人とは似ても似つかないが、どこか似た雰囲気のある女性。彼女には意外な秘密が…というミステリー風のラブストーリー。「アパートメント」を観ているのでオチは知っていたが、それでも冬のシカゴの雪景色や、合成映像の幻想的な雰囲気に吸引力があり、夢中になれた。エンディングは、いかにもハリウッド映画的。
監督がイギリス人(「アシッド・ハウス」のポール・マクギガン)であるためか、音楽は英国のバンド中心。ステレオフォニックス/STEREOPHONICSの『MAYBE TOMORROW』で幕を開け、スノー・パトロール/SNOW PATROL、モグワイ/MOGWAI、そしてエンディングにコールドプレイ/COLDPLAYの『THE SCIENTIST』と、地味渋系のオンパレード。コールドプレイの曲はロマンチックな描写と重なるので、映画を観た人の間では、けっこう人気を呼ぶのではないだろうか。
そんな叙情派ロックの中にあって、ノリノリゆえに印象に残るのが回想シーン、ジョシュと昔の恋人のデート後→ラブシーンに重なる、ホワイト・ストライプス/WHITE STRIPESの『GOOD TO ME』。ロカビリー風のビートが、勢いづいてしまった(?)恋人たちの官能を盛り立てる。
ブレンダン・ベンソンのカバーであるこの曲は、ホワイト・ストライプスの近作『ELEPHANT』(写真)の国内盤に、ボーナストラックとして収録されていた。輸入盤では、シングル『SEVEN NATION ARMY』で聴ける。
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