ポルトガル語のボウイ・ソング

gakus2005-03-17

 昨日に続いて、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」に続くウェス・アンダーソン監督の新作「ライフ・アクアティック」に関するお話し。

 この映画、どういうワケかデビッド・ボウイの曲がたっぷり使われている。とはいえ、ボウイによるオリジナル・バージョンが使われているのは『LIFE ON MARS?』『QUEEN BITCH』の2曲だけ。他は「シティ・オブ・ゴッド」で2枚目マネを演じたセウ・ジョウジふんする船の乗組員がアコギを爪弾きながら、要所要所でボウイの歌をポルトガル語で歌っている。役割としては「メリーに首ったけ」におけるジョナサン・リッチマン的な配置か!? 船上パーティーではひとり『STAR MAN』を、ビル・マーレイふんする映画監督と息子の再会のシーンの脇では『CHANGES』を、航海初日には『ROCK'N'ROLL SUICIDE』を、しんみりとプレイ。『REBEL REBEL』のようなノリの良い曲もしっかり聴かせるのには驚いた。ラストで本家『QUEEN BITCH』がかかった後のエンドクレジットでは、その脇に出てきてこの曲をフルコーラス、カバーする大サービス。ある意味、主演のビル・マーレイに匹敵する存在感あり、である。

 他に、過去のアンダーソン作品同様の絶妙な選曲多数。「天才マックスの世界」のモッズ選曲を思わせるところではゾンビーズの『THE WAY I FEEL INSIDE』が、とあるキャラの葬送シーンで味を出していた。「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」でのニコの起用を思わせる女性ボーカルの妙という点では、気球の飛翔時にかかるジョーン・バエズの『HERE'S TO YOU』が印象深い。

 ジャケは、ラストでのオリジナルとカバーの連発によって、本作でもっとも印象に残る『QUEEN BITCH』収録、DAVID BOWIE、1971年のアルバム『HUNKY DORY』。

ライフ・アクアティック コレクターズ・エディション(初回限定生産) [DVD]

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