教科書的良質セレクト

gakus2005-03-19

3月16日の日記で記したイギー・ポップ&ザ・ストゥージズ『SEARCH & DESTROY』が使用される、もうひとつの映画「ワンダーランド」について。

 1970年代を代表するポルノ映画のスターである巨根俳優ジョン・ホームズを主人公にした、この映画。LAのワーンダーランド通りで発生し、ホームズが関連したとされる殺人事件の真相を検証しながら、彼とその妻、愛人の関係をみつめた物語である。ミステリーの要素と人間ドラマがうまく噛みあっていない気もするが、そこは「ブギーナイツ」のモデルとなったほどのお人、ダメ人間のやるせなさは伝わってくる。ヴァル・キルマー好演。

 音楽のセレクトは、ロッククラシックというべきもの。ボブ・ディラン『MIGHTY QUINN』、T-REX『20TH CENTURY BOY』、ロキシー・ミュージックファンカデリックらの全盛期のナンバーから、事件が起こった1981年という時期にリンクするカーズ『GOOD TIMES ROLL』、デュラン・デュラン『GIRLS ON FILM』、ビリー・ジョエル『BIG SHOT』、ジョーン・ジェット『BAD REPUTATION』まで、楽曲が氾濫している。ドラッグによる倦怠感に包まれた部屋で、パティ・スミス『GLORIA』やルー・リード『SATELITE OF LOVE』などのNY派のナンバーがフィーチャーされるのは、何か含みでもあるのか…。ともあれ、この時代の良質のロックナンバーが並んでいると思う。

 ジャケはエンドロール、最後の最後に流れる『STRANGER IN A STRANGE LAND』を収録したレオン・ラッセル、1971年のアルバム『LEON RUSSELL AND SHELTER PEOPLE』。ブルージーなスワンプの、これまた名曲。

ワンダーランド [DVD]

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