奇人とボウイおばさん

gakus2005-03-25

 昨日記した故クラウス・ノミのドキュメンタリー「ノミ・ソング」には、デビッド・ボウイが1979年に『サタデー・ナイト・ライヴ』に出演した際のビデオ・フッテージが収められている。バックで踊っているのが、まだデビュー前のノミ。この時ノミはすでにNYのアンダーグランドではスターとなっており、新しいモノに敏感なボウイが声をかけ、同番組でバックコーラスを務めることになったとか。演奏されるのは『THE MAN WHO SOLD THE WORLD』『TVC15』『BOYS KEEP SWINGING』。この映像はこれまでブートのビデオでしか出回っておらず、公式にはおそらくこれが初の蔵出しではないだろうか。全部見れないのが惜しい。

 それはともかくボウイの女装、かっこ悪いんだよね、これが…。ノミのような奇人が妙な格好をするのはともかく、ここでのボウイはおばさんである。(上の写真、中央ボウイ、ノミは右)

 ニューウェーブ全盛期はアーティストがビジュアルの奇抜さを競うような状況で、それはそれで面白かったが、当時の世の流れは、それをファッションに結びつけようと必死だったような気がする。中性的だったり、不自然なほど無機質な感覚を漂わせていたり。パルコやセゾンの広告は、いかにもそんな感じだったなあ。テクノカットなんて、今や恥ずかしくて、なかなかやれるものではない。

 表層の部分は消えても、良い音楽は今も残る。というわけで、ジャケは1978年、デビッド・ボウイのアルバム『LODGER』。『BOYS KEEP SWINGING』収録。『DJ』『LOOK BACK IN ANGER』からこの曲へと続くB面の流れ、かっこいいんだよね、これが…。

ノミ・ソング [DVD]

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