これは、いったい… その2

gakus2005-07-12

 昨日記した、気になる「エイリアンVSヴァネッサ・パラディ」(原題「ATOMIK CIRCUS」)の正体を確かめるべく試写会へ。

 ストーリーをかいつまんで説明すると、舞台は気温が60度にも上がる、茹で上がるような暑さのフランスの田舎町。町の祭りにやってきたスタントマン(ジェイソン・フレミング)が、歌うことの大好きな町の歌姫(ヴァネッサ)に恋をするが、権力者である彼女の父親の反感を買って懲役133年の服役を言い渡される。やがて町に音楽プロデューサーがやってきて、体目当てでヴァネッサに接近するが、実はこの男、町に来る途中にケツから侵入したエイリアンにボディスナッチされていて、ヴァネッサはいろんな意味で危機一髪。脱獄したスタントマンが彼女を救おうとするが、そのとき町はエイリアン荒されていた…。

 上記の基本ストーリーからもニュアンスは伝わると思うが、現実離れしたオフビートな雰囲気のコメディーで、とりわけ前半はユルユル感たっぷり。洗濯物を干しながらいきなりヴァネッサが歌いだすと、映画はミュージカルに早代わり。対して、後半は「宇宙戦争」のトライポッドが4本脚になったようなエイリアンがウヨウヨ登場し、町民の首をはねる、はねる。スットボケた人々ゆえに、殺されても悲劇性は少ないが、そのぶん血ノリの量はすさまじく、スプラッターを見ているよう。オフビートな笑いは、ブラックユーモアへと転調する。

 5年ぶりの映画出演となるヴァネッサは先述のミュージカル・ナンバーをはじめ、劇中で数曲歌っているが、ロックからチャチャ、ソウル風のものまで多彩なナンバーを披露している。どんな曲を歌っても、この人の甘いボーカルに乗っかるとヴァネッサ節になってしまうのは、天賦の才能というべきか。このほか、スコアはガレージパンク風のインスト中心で、殺戮シーンでもポップにガンガン鳴っているから、深刻なムードは皆無。

 で、邦題ですが、これまで記したようなキッチュな雰囲気の象徴として捉えるのが吉。「エイリアンVSプレデター」のようなガチンコ対決を期待すると、ちょっとガッカリかもです。

 ジャケはそのサントラ。日本盤は劇場公開時期に併せて10月にリリースされるが、待ちきれないので輸入盤を探そうか、と。ステッカーに記されたとおり、ヴァネッサの曲が6曲収録されております。