無意味に緊張

gakus2005-08-16

 フジロックに出演したNEW ORDER/ニュー・オーダーは、ニューアルバム『NO』の国内盤のボーナストラックである『KRAFTY』の日本語バージョンをやっちゃったらしく、ファンの間ではこれに関しては評判がよろしくない模様。それでも観たかったなあ…という気持ちに変わりはなく、今日はNEW ORDERのビデオクリップ集を流しっぱなしにしつつカンヅメ仕事。

 どうしても仕事の手が止まるのが『PERFECT KISS』のビデオクリップ。「羊たちの沈黙」でおなじみのジョナサン・デミ監督が「ストップ・メイキング・センス」で注目を集めだしたころに手がけたものだ。『PERFECT KISS』は当時から現在に至るまでディスコでもやクラブでも定番と化しているほどダンサブルな曲だが、ここまで躍動感のない映像をつけられると逆に見入ってしまう。手法は、メンバー4人の顔や演奏中の指先などをアップにして固定カメラでとらえ、交互に映し出すという、いたってシンプルなもの。もともとNEW ORDERはルックス的に華のない人たちであるうえに(ゴメンナサイ…)、愛想もないし、メンバー同士が複数同じ画面に収まっているショットも少ないものだから、この演奏の場に妙にヒンヤリした空気が流れているように思える。たいそう居心地が悪い。だからこそ緊張して見入ってしまうのです。

 「羊たちの沈黙」でジョナサン・デミは、やたらと人物のクローズアップのを多様し、観る者に緊張を強いていたわけだが、その原点は意外にここにあるのかもしれない。そういえば、NEW ORDERの曲では『BLUE MODNAY』や『TRUE FAITH』は映画で割と頻繁に耳をするが、この『PERFECT KISS』を聴いた覚えがないのは、デミのビジュアルと比べられると旗色が悪いから、製作者側にしてみれば使いたくないということなのだろうか……などと邪推。ちなみに、この後デミは「サムシング・ワイルド」で『TEMPTATION』、「愛されちゃってマフィア」で『BIZZARE LOVE TRIANGLE』と、NEW ORDERのナンバーを劇中歌として起用している。

 というわけで、ジャケは『PERFECT KISS』の12インチシングル。これ、一応オリジナル・スリーブなんだけど、十分に愛想がない。

 ニュー・オーダーのクリップ集と、10年ぐらい前にビデオ化された『ニュー・オーダー・ストーリー』がカップリングで、9月にDVD化される。後者は当時一度見たきりだが、クイズ番組みたいなイギリスのTV番組に出た際の映像が挿入されていて、場違いさ加減が妙におかしかった覚えがある。

ベスト&ストーリー [DVD]

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