睡魔と闘うための爆音

gakus2005-09-03

 爆音上映がすっかり定着した吉祥寺バウスシアター。10月にはジャン=リュック・ゴダール作品の上映も決定した。題して“爆音ゴダールナイト”!

 となれば、ストーンズの『悪魔を憐れむ歌』の創作過程を追う「ワン・プラス・ワン」やら、ミュージカル「女は女である」やら、スコアがひたすら美しい「軽蔑」やら、いろいろと観たいものが出てくる。しかし、現実のラインナップは「勝手に逃げろ/人生」「右側に気をつけろ」「新・ドイツ零年」「ヌーヴェル・ヴァーグ」の4作品。どんなに爆音でドーンとこられようと、どれも寝るな、きっと…。

 それはともかく、ヨーロッパ系のキツいアート映画を爆音上映して、少しでも眠気を遠ざけるというのは発想としてアリかもしれない。爆音アンゲロプロス・ナイトとか、爆音タルコフスキー・ナイトとか、今後企画されたら面白いと思う。個人的には、それでも起きてる自信はないけど。

 あえてヨーロッパ・アート系で挙げれば、ヴィム・ヴェンダースレオス・カラックスあたりはロック使用率も高いし、爆音には適していると思う。「汚れた血」「ポンヌフの恋人」ならデビッド・ボウイもフィーチャーされている。イギー・ポップが流れてきて花火がどっかん、どっかん上がる後者の巴里祭のシーンは、アートの苦手な自分でもゾクゾクできそうだ。

 というわけで、ジャケはイギー・ポップ、ポンヌフ花火のテーマ曲『STRONG GIRL』を収録した1988年のアルバム『INSTINCT』。しかし、このジャケはどう見てもアート映画向きではない。