女JB

gakus2005-10-26

 昨日アイク&ティナ・ターナーのことを記したら、ふと観たくなって「SOUL TO SOUL 魂の詩」のDVDを鑑賞。半年前に購入したまま観るのを忘れ、観た気になっていた。参考書を買っただけで勉強した気になっていた子供の頃から、この辺は進歩がない。

 「SOUL TO SOUL」は1971年にアフリカ、ガーナで行なわれたフェス形式のコンサートをメインにしたドキュメンタリーで、翌年には日本でも劇場公開されている。出演はアイク&ティナの他にウィルソン・ピケット(『ダンス天国』のパフォーマンスは圧巻)、ステイプル・シンガーズ、サンタナ、ヴォイス・オブ・イースト・ハーレム等。

 ティナがアイケッツを引き連れ、猛烈な腰振りダンスでステージに現われる冒頭から、スゲー!と思わずにいられない。ダイナミックな腰振りダンス。異様に高いテンション。身を切るようなシャウト。女JBと言われるのも納得。

 この映画ではコンサートの模様の合間合間に、現地の人々の生活風景や、出演アーティストと現地の人々の交流が挿入される。で、ティナは終始満面の笑みで心底楽しそう。どこかの部族のダンスに乱入して一緒に踊ったり、“やってみて"という風に自分の後に続いて現地の女性に歌わせたり。言葉が通じないものの、そこで交流が生じる瞬間。真の“SOUL TO SOUL”というべきか。

 もちろんステージも凄まじく、フィル・スペクタープロデュースによる原曲のアレンジのみならずメロディーをも破壊して豪快に歌いきる『RIVER DEEP MUNTAIN HIGH』、アイクのブルース・ギターとねっとり絡みつく『I SMELL TROUBLE』に圧倒される。ティナはステージでは胸の透けた衣装を着ているが、エネルギーの塊みたいな彼女を目の当たりにしては、エロを感じる余裕もない。

 ちなみに、このDVDでは映画に使用されなかった『I'VE BEEN LOVING YOU TOO LONG』のパフォーマンスが収録されていて、アイクと掛け合い展開しつつ、マイクを男性自身のように扱うエロいパフォーマンスも披露。参りました…。

 ジャケは、同じ1971年のカーネギー・ホール公演の模様を収めたアイク&ティナのライブ盤『WHAT YOU HEAR IS WHAT YOU GET』。ここに収録された『I'VE BEEN LOVING YOU TOO LONG』でも同様のパフォーマンスが。