呪いのブルース
お正月もいろいろビデオやDVDを観たけれど、日本では劇場未公開だったホラー「スケルトン・キー」は意外な拾いモノ。イアン・ソフトリー監督(「バック・ビート」「鳩の翼」を撮った人)の映画は肌に合わんだろうなとタカをくくっていたけれど、後に引く恐怖演出はお見事でした。
舞台はブルース、ジャズのメッカ、ニューオリンズ。人里離れたお屋敷で老人の介護ヘルパーを務めることになった女性(ケイト・ハドソン)が、屋敷の呪われた過去を探るうちに密教がらみの陰謀に巻き込まれる。ニューオリンズの湿地感覚が効果を発揮し、映像全体にダークなムードが漂う。沼地の映像がやたらとフィーチャーされているが、この辺りは昨年のカトリーナの被害をモロに受けたのではないだろうか。
ブルースの使い方も良くて、ロバート・ジョンソンやブラインド・ウィリー・ジョンソンのナンバーが呪術的な雰囲気を盛り上げる。とりわけ後者のしわがれた歌声は祈祷師のようでストライク。ディキシー・カップスのポップの古典『IKO IKO』もこの文脈で耳にすると、なんとも不気味でありました。
ディキー・カップスは所有しておらず、ジャケはそのカバーを収めたBELLE STARS、1982年のアルバム『THE BELLE STARS』。このアルバム一枚で解散してしまったのが惜しいほどの、ポップな感性を持った女の子7人組で、確かSTIFFレコードに所属していたはず。『IKO IKO』は当時このアルバムで知りました。
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