復活、か!?

gakus2006-09-18

 先週末の全米興行収入成績でトップの座についた「GRIDIRON GANG」なる映画は、ザ・ロック主演のアメフトを題材にしたスポ根ムービーのよう。で、監督がなんとフィル・ジョアノー。つい先日“最近、名前聞かないな…”などと、コメント欄の常連muraさんと話していたトコでした。

 フィル・ジョアノーは、ご存知のとおり「U2/魂の叫び」で注目された監督。陰影と光のバランスに気を配った、この人のビジュアル・センスはお気に入りで、「魂の叫び」のイメージ・ビジュアルなんかが象徴的なところか。続く傑作ハードボイルド「ステート・オブ・グレース」のクライマックス、暗闇の中の銃撃戦でも、そのセンスは爆裂しており、多いに燃えた。が、その後「愛という名の疑惑」「ヘブンズ・プリズナー」と、どんどん薄味になり、7年前の前作「ウィズアウト・ユー」にいたっては再びU2を担ぎ出したものの、映画監督としての苦労こそよくわかったが、何ともすっきりしない作品となってしまった。

 思うに、これは主演スターに問題があるのではないだろうか。「愛という名の疑惑」のリチャード・ギア、「ヘブンズ・プリズナー」のアレック・ボールドウィン、「ウィズアウト・ユー」のスティーブン・ドーフと、皆よい役者ではあるものの個性という点では“薄い”印象がある。「ステート・オブ・グレース」の勝因は、ショーン・ペンゲイリー・オールドマンエド・ハリスという“人を殺したことがある”なんて言われたら冗談に聞こえないほどの“濃い”メンツにあった。もともとジョアノーは大げさな演出を嫌う現実的なドラマを好む人なので、主役が“濃い”人ほどバランスがとれるのではないかと推測。となれば、新作のロック様ならノー・プロブレム。こりゃ期待大、なのであります。

 ジャケは「ステート・オブ・グレース」のバーのシーンで流れていたTHE POGUES『WHITE CITY』、1989年リリースのシングルCD。