今日もRAMONES
ニコラス・ケイジ主演の『ウィッカーマン』(9月公開)は同名イギリス製ホラーのリメイク。ケイジ本の念願の企画で、自身製作を兼任している。行方不明の少女を探すために私有地の島に乗り込んだケイジふんする白バイ警官が、その女性上位コミュニティで大変な目に遭う…というお話。
オリジナルの舞台はスコットランド沖の孤島だったが、こちらの舞台はアメリカ映画らしくワシントン州沖の島に変更。大筋はオリジナルとそんなに変わってないが、一番の変更点は、邪教(男根崇拝!)を信じる田舎の人々のコミュニティというオリジナル版の設定を女性上位社会に変えたこと。ケイジはそこでシスターたちの策略にハメられるのだが、それに対してはワイルドに抵抗。ハイキックでぶっ飛ばしたり、本気でパンチを食らわせたりと、悪辣な連中とはいえ女性に振るう暴力は凄まじい。そんな展開を見ていると、“暴力男はこの世から消え去れ!”というメッセージがあるのかもと勘ぐってしまう。ともかく、なかなか珍品でありました。
オリジナルでは、やたらと村人たちがドノヴァン風のアーコスティックなナンバーを歌うシーンが多く、なかばミュージカルのような雰囲気もあったと記憶しているが、今回のリメイク盤では歌はナシ。アンジェロ・バダラメンティのスコアが恐怖を引き立てる仕掛け。
しかしロケンロー的に見過ごせないのが、エンドクレジットの最初に出てくる“For Johnny Ramone”の文字。こんな映画捧げられても、ジョニーも迷惑なのでは(?)とも思ったが、色々調べてみたら、オリジナルの『ウィッカーマン』をニコラス・ケイジに勧めたのが、彼の友人だった故ジョニー・ラモーンであったことが判明。
確かに、ラモーンズはホラー映画の影響が強いバンドで、アルバム・タイトルに『IT'S ALIVE』(←『悪魔の赤ちゃん』の原題)、『MONDO BIZARRO』(←『世界猟奇地帯』の原題)などとマニアックな映画から引用してくるあたりは只者ではない。『ペット・セメタリー』の主題歌も歌ってたしなあ。
というわけで、ジャケはRAMONES最強のライブ盤『IT'S ALIVE』、1979年リリース。
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