真のトリビュート

gakus2007-08-14

 2004年9月12日、ジョニー・ラモーンが世を去る3日前にLAで行なわれた、RAMONESの生誕30周年(そして前立腺ガンと闘病中のジョニーへの激励の意味も含む)トリビュート・コンサート。その模様を中心に、出演者や関係者のイタンビューを織り込んだドキュメンタリー『TOO TOUGH TO DIE』が9月に日本公開される。

 ステージに上がったのはTHE DICKIES、Xのベテラン勢にRED HOT CHILI PEPPERS、CJ・ラモーンとマーキー・ラモーンをバックに従えたPETE YORNやMIGHTY MIGHTY BOSSTONESのメンバー、TIM ARMSTRONG(RANCID)、EDDIE VEDDER(PEARL JAM)、HENRY ROLLINS等々。エンドクレジットではJOAN JETT等のラモーンズ・カバーも聴ける。

 正直、ステージに立っている多くの(特に、90年代以降の)バンドには思い入れが薄いんだけど、それでも鳥肌が立つ瞬間は何度かあって、ティム・アームストロングとBAD ELIGIONのブレット・ガーヴィッツ、CJが3人並んで“CRETINS HOP”の“1-2-3-4 Cretins wanna hop〜”とサビの部分をシャウトするところや、エディ・ヴェダーが珍しくはっちやけてる“SHEENA IS A PUNK ROCKER"、ヘンリー・ロリンズが気張って歌う“JUDY IS PUNK"にはシビレた。皆ラモーンズが大好きあることが、このステージだけでも十分伝わってくる。“I WANNA BE SEDATED"など3曲を披露したレッチリのアンソニーなんて、歌声までジョーイにソックリ。

 インタビュー・フッテージも泣かせるものが多く、色々書きたいことがあるのだが、ここではふたつだけ、つい頷いてしまったものを。ひとつはレッチリのギタリスト、ジョン・フルシアンテの言葉。“ラモーンズは俺にとっては実在の人間というより、アニメのキャラクター。一緒に遊びに出かけても、同じ人間と思えないんだよ"。もうひとつ、つい吹き出したMIGHTY MIGHTY〜のボーカル、ディッキー・バレットがこのコンサートに出演した理由を尋ねられたときの返答。“断れないだろ。だって…ラモーンズの命令だぞ! 「飛べ!」と言われたら飛ぶしかないじゃないか"……とにかく発言にもラモーンズ愛があふれていた。最近は売名的だったり、実験的だったりするトリビュートも多いけど、こういうのを正しいトリビュートと呼ぶのではないか。

 ジャケはTHE DICKIES、最高にパンキッシュな1979年のアルバム『THE INCREDIBLE SHRINKING DICKIES』。この映画ではラモーンズ・カバー“TODAY YOUR LOVE, TOMORROW THE WORLD"とともに、このアルバムから“YOU DRIVE ME APE"を披露。同じくLA PUNK勢のXもカバーだけでなく自分たちのオリジナル曲をやっていたけれど、こういう場でそれが許されるのはラモーンズと(ほぼ)同期だからか。とにかく、オリジナル・パンク好きには、これも嬉しい。

追記
 この映画ではラモーンズのライブ・フッテージはちょこっとしか見られなくて、そこが残念ではあるのだが、なんと↓こんなDVDのリリースが決定。快挙!自分は速攻で予約しちゃいました。

イッツ・アライヴ 1974-1996 [DVD]

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