地球最後の男・贖罪篇

gakus2007-12-04

リチャード・マシスンの名著「地球最後の男」の3度目の映画化となる『アイ・アム・レジェンド』の公開が、いよいよ10日後に迫った。主演のウィル・スミスも現在キャンペーンで来日中。いやがおうにも期待は高まるが、果たして本編は過去2回の映画化とはまったく異なるアプローチの感動作となっていた。

人間を狂犬病と同様の症状で抹殺してしまう殺人ウイルスの流行で、人類が死に絶えた2012年、免疫のある体ゆえに唯一NYで生き残った科学者ネビルは愛犬だけを友とし、昼はAM放送を通じて生存者に呼びかけ続け、夜はウイルスを滅ぼすための血清開発に全力を注ぐ。日暮れに外出できないのは、日の光を苦手とする凶暴な感染者が街に出てくる時間帯であるから。孤独と闘い続ける彼の前に、やがて生存者が現われる…。

以下、音楽ネタですが物語的なネタバレ含むので注意。

この映画の音楽的な鍵となっているのはレゲエの神様BOB MARLEY。“THEREE LITTLE BIRDS”はメインテーマ的な扱いで、“心配する必要はないさ”と孤独な主人公を励ますかのように歌われる。また、ボブ・マーリィを知らないという別の生存者に聞かせるナンバーは“STIR IT UP”。主人公ネビルの亡き娘マーリィという名がボブ・マーリィからとられていることが、ここで明らかになる。そしてエンドクレジットで流れるのは“REDEMPTION SONG”。あまたの感染者を救えず、科学者としての責任を果たせなかった主人公の心情が、この“贖罪の歌”に託されているように思えて、じんわりと胸にしみてくる。

ジャケは上記3曲を収録した1984年リリースのベスト盤『LEGEND』。ネビルは劇中で“生涯の一枚”と言ってボブ・マーリィのアルバムを提示する。ジャケが見えないので判別できなかったが、このアルバムである可能性は大。レジェンド、っつーぐらいだから…。

アイ・アム・レジェンド 特別版(2枚組) [DVD]

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ONE LOVE-ザ・ベリー・ベスト・オブ・ボブ・マーリィ

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