後がないんじゃ、後が…

gakus2008-03-21

 3月19日のエントリーに続いて、『ラスベガスをぶっつぶせ』のお話を。実話に基づく、この映画は理数系の優れた頭脳とチームプレイを武器に、ラスベガスのカジノで、ブラックジャックで荒稼ぎをした大学生たちの実話に基づく痛快エンターテインメント。

 マサチューセッツ工科大学に通う優秀な青年ベン(ジム・スタージェス。『アクロス・ザ・ユニヴァース』の日本公開も決定し、今後ブレイクするかも)はハーバードへの進学に必要な学費を捻出すべく、教授(ケビン・スペイシー)に誘われ、カジノ荒らしのチームの一員となる。“カウンティング”と呼ばれる必勝法を習得し、ラスベガスで荒稼ぎ。しかし、カジノのベテラン警備担当者(ローレンス・フィッシュバーン)は、彼らの不審な動きに気づき、潰しにかかる…。

 ベンと警備員の攻防はスリリングで見どころ。カウンティングはカジノに生態認識ソフトの導入されることで、取り締まられることは時間の問題。そして、警備員もこのソフトの導入により職を失うことになる。いわば後がない者同士の攻防。これがドラマに哀愁に違い妙味を加えている。

 先のエントリーで記したMGMTによるオープニング曲の他に、先端のポップ・ソングが多数使われている模様。自分が知ってる曲は多くなかったが、警備員の取締に遭った主人公らがチップの換金に困ったあげく、大胆不敵なアイデアでそれを実現させるシーンでMARK RONSON“LSF”(KASABIANのカバー)が流れる。奇しくも、“俺たちには後がない、だから乗れ!”と歌うこのナンバー。ある意味、映画の本質を表していると思う。

 ジャケはこの曲を収録したマーク・ロンソン、2007年リリースのアルバム『VERSION』。THE SMITHS“STOP ME"、RADIOHEAD“JUST”などをダンサブルにカバーした好盤。最近買ったんだけど、目下のヘビロテ。