ジャージ探偵

gakus2008-03-20

 ベン・アフレックの初監督作『GONE BABY GONE』を輸入DVDで観る。

 幼女誘拐事件の捜査を依頼された探偵(ケイシー・アフレック)。幼女の母親はヤク中で、しかも麻薬組織のヤバい大金を横領していた。これが事件に関連しているとみた探偵は、警察署長(モーガン・フリーマン)やFBI捜査官(エド・ハリス)とともに捜査を進めるが、やがて容疑者は死に、幼女も死体となって発見された。しかしこの背後には意外な事実が…。

 物語の鍵となるのは、幼い子供を大切にする大人の気持ち。正しいと思ったことは、必ずしも子供を幸福にはしない。正しいことと、間違ったことの境界。そのあいまいさを浮き彫りにする物語として、確かな手応えを感じさせる。後味はよくないし地味だが、ベン・アフレックを見直す(?)力作。ぜひ日本公開にこぎつけてほしい。

 事件の調査に乗り出した探偵(いつもジャージを羽織っている)が最初に訪ねるのは、幼女の母親が通い詰めていたというバー。ここでGUNS N'ROSESの“YOU'RE CRAZY”が渋く鳴っている。誰がCRAZYなのかは、この時点ではわからない。しかし、さらなる調査を進めるうちに、このジャージ探偵はますますわからなくなってゆく。ひょっとしたら自分がCRAZYだったのか…。

 ジャケは1989年リリース、ガンズ・アンド・ローゼズ、この曲を収めたアルバム『G N' R LIES』。