ダメ男のプレッシャー

gakus2008-04-19

 日本では売りづらいせいか、日本公開に時間がかかるファレリー兄弟の映画。昨秋、全米公開された『THE HEARTBREAK KID』も、なかなか日本公開が決定しないので、待ちきれず向こうのDVDで観賞。ニール・サイモン脚本の1972年の映画『ふたり自身』のリメイクで、『メリーに首ったけ』のベン・スティラーを再び主演に迎え、やはりダメ男の騒動を描いている。

 スティラーふんする主人公は、偶然出会った奉仕員の女性と親密になり、つきあって一週間でプロポーズして、めでたく結婚。ところが新婚旅行に出発するや、この女性の意外な本性が見えてくる。カーラジオから流れる音楽に併せてずっと大声で歌うのはまだしも、夜の営みは暴力的。ベンの前で放屁する。鼻から飲み物を漏らす(その昔、LSDをやり過ぎたせい)。船酔いがヒドくてスティラーかやりたかったクルージングもできず。こんなことが積み重なり派手なケンカをしたあげく、スティラーはミシェル・モナハンふんする女性と出会い、親密になってゆくのだが…。スティラーの優柔不断ぶりは『メリー〜』以上なので女性の共感は得られそうにない。そこに日本公開を躊躇する原因があるのかもしけないが、ダメ男としてはこの気持ち、わからんでもない。新妻役のマリン・アッカーマンのバカ演技も立派で頼もしいぞ。

 スティラーとアッカーマンは、デビッド・ボウイが好きという共通項を見出して交際することになる。そのせいか、ボウイの曲がよくかかる。“QUEEN BITCH"“REBEL REBEL”“ASHES TO ASHES”、ジギーにサフラゲット。クイーンと共演した“UNDER PRESSURE”も聴こえてくる。新妻を放ぽって、嘘ほついてモナハンに言い寄り、どんどん立場を悪くするスティラー。自分のダメっぷりに押し潰されそうになる、このキャラに、ある意味ピッタリのBGM。

 ジャケは1981年リリース、その国内盤7インチ。