ケイト大熱演その1

gakus2009-01-13

 昨日のゴールデングローブ賞の主役は、なんといっても主演女優賞と助演女優賞をダブルで受賞するという快挙を成し遂げたケイト・ウィンスレット。前者の対象作は『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(1月公開)、後者の対象作は『愛を読む人』。

 『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』は、すでにあちたこちで話題になっている通り、『タイタニック』以来11年ぶりにケイトとレオナルド・ディカプリオが共演した恋愛ドラマで、ケイトの旦那、サム・メンデス(『アメリカン・ビューティ』)が監督を務めている。とはいえ『タイタニック』のようなメロドラマではなく、『アメリカン・ビューティ』のような風刺的ユーモアもない。1950年代の小説をベースにして、古き良き時代のアメリカを舞台に、夫婦の関係の崩壊を徹底的にシリアスに描いている。もちろん夫婦役はディカプリオとケイトで、ここで彼らが演じるのはロマンチックとは程遠い口喧嘩の嵐。クライマックスはかなり凄惨なことになるのだが、その前の穏やか過ぎる朝食のシーンにはホラー映画以上の怖さがある。

 妻は郊外の代り映えのしない暮らしにストレスをため込んでいるが、その根底にあるのは”私たちは他の夫婦とは違う、特別な存在”という意識。新婚の若い夫婦ならいざ知らず、二人も子供がいて、こういう感情を抱いているのは問題ありだよなあ…。そんな具合に感情移入できないので、客観的にキャラクターを見るべきだと思う。

 舞台は50年代なので、ロックが子供たちのものであった時代。したがって、本作では同時代的なロックは聴けないんだけど、以下のトレーラーではNINA SIMONEの”WILD IS THE WIND"がフィーチャーされている。

 これは1957年の映画『野性の息吹き』でジョニー・マティスが歌った主題歌のカバー。狂おしい愛情を歌ったナンバーで、ラブストーリーとしての激しさをアピールしているが、映画を見終えてから見ると、この曲の荒涼感だけが妙に印象に残る。

 ジャケはDAVID BOWIEの『BEST OF BOWIE』。ロック・ファンの多くは”WILD IS THE WIND"という曲の存在を、この人のカバーで知ったはず。

 明日は、もうひとつの『愛を読む人』について。