ケイト大熱演その2

gakus2009-01-14

 昨日に続き、ケイト・ウィンスレットの主演作の話。『愛を読むひと』(初夏公開)は、彼女にゴールデングローブ賞助演女優賞をもたらしたが、実質的には主演作と呼んで差支えない。助演扱いとなったのはスタジオ側が、昨日記した『レボリューショナリー・ロード』との競合を避けるため、助演賞部門にアピールしたことによる。

 ドイツの小説「朗読者」を『めぐり逢う時間たち』のスティーブン・ダルトリー監督が映像化。物語の始まりは1958年のドイツで、当時15歳の少年ミヒャエルは市電の車掌をしている女性(これがケイト)に誘惑され、肉欲に基づく激しい恋が始まる。やがて彼女は突然、姿を消してしまう。時は流れて1966年、法学を志していたミヒャエルはナチの戦争責任を問う法定で、彼女と皮肉な再会を果たすことになる…。

 『レボリューショナリー・ロード』でも激しい性描写はあったが、こちらはそれ以上で、中年に差し掛かった煮崩れ寸前の裸体を作り、それを惜しげなくさらしている点にケイトの女優としての度胸を見てとることができる。もちろん、ドラマとしての見応えもなかなのもの。

 さて音楽オタ話。法学生となった主人公が暮らす寮内で聴こえてくるのは知る人ぞ知るイギリスのモッズ・バンド、CREATIONの”MAKIN' TIME"。ギターがガッガッガッと早急なリズムを刻むガレージロックの名曲中の名曲。この手の”黒い”モッズ・バンドは本国より、ドイツで人気が高かったと伝え聞いてるが、それを踏まえると、この選曲も納得がいく。

 ジャケは1967年リリース、彼らが遺した唯一のオリジナル・アルバム『WE ARE PAINTERMAN』。OASISPRIMAL SCREAMを生んだ旧クリエイション・レーベルの総帥アラン・マッギーは、そのレーベル名からもわかるとおり、このバンドの大ファンで、彼らの曲名からとった"BIFF BANG POW"というグループで活躍していたこともある上に、1999年にはCREATION再結成まで実現させてしまった。