極悪ライダー

gakus2004-06-16

 ショーン・ライダー/SHAUN RYDERのソロアルバムが出た!

 ピンと来ない方のために説明すると、「24アワー・パーティ・ピープル」の後半の主役となるバンド、ハッピー・マンデーズのリーダー。屋上で弟と一緒に鳩を撃ち、デモテープを人質にとったはいいがビジネスの疎さゆえのストレート過ぎる要求を突きつけて大金を巻き上げ損ねた、あのワルいお方である。

 マンデーズ解散後、ブラック・グレイプを結成して気合の入った2枚のアルバムを残すも、こちらもポシャリ。マンデーズを再結成して新曲を一曲(といっても、シン・リジーのカバーだったが)録音したきりで、その後、音沙汰がなかったが、久々のレコーディング作品の登場。これが、マンデーズ〜ブラグレの流れを汲むインディーダンス・チューンの連発。音数が減ってシンプルにこそなったが、根っこは良い意味で変わっていない。歌詞の中身は例によってドラッグとセックス。この人の24時間パーティーは、今なお続いているようだ。

 このアルバムの発表にいたるまで、ショーンは音楽界から離れるというニュースも伝わっていた。ジャーナリスト転向宣言をしたときはビックリしたものだ。もっと驚いたのが、俳優転向のニュース。で、レイフ・ファインズショーン・コネリーユマ・サーマンと一緒に「アベンジャーズ」に出ているという。どうやら悪役を演じているらしい。期待して劇場に足を運んでみると、ファインズふんする主人公にあっさり撃退される、ショーン・コネリーの手下役。しかもセリフは一言もナシ。こ、これだけですか??? あまりのダメダメぶりに拍子抜けした。あの巨体が随分ちっちゃく見えた。

 同じダメ人間を演じるのでも、音楽でコレをやったときのショーン・ライダーは俄然、輝きを増す。ダンサブルなビートに任せ、問答無用の勢いで押し通す。この傍若無人さこそ、ライダーのスゴみではないかと思う。

 全然関係ないけど、ショーン・ライダーが沈黙している間に、同じ苗字を持つハリウッドの女優が万引きで捕まり、ワルの仲間入りを果たした。この人も“役作りのため”とかワケのわからん言い訳なんかせずに、開き直りで押し通して、それを芸風にすれば良かったのに。