魂の歌
ヴィム・ヴェンダースのブルース・ドキュメント「ソウル・オブ・マン」を、ついに観ました。
ブラインド・ウィリー・ジョンソン、スキップ・ジェームズ、J.B.ルノアーという、今は亡き伝説のブルース・ミュージシャン3人にスポットを当てたもの。ジョンソン(役の声優)のナレーションに従って映画は進行。再現フィルムで彼らの音楽活動をたどりつつ、ブルースとは何なのかを語りかける。それはアメリカ史のなかで虐げられてきたアフリカン・アメリカンが、どん底から自分の尊厳を引き上げるための音楽だった。
熱心なブルース・リスナーではないので、登場する3人のブルースマンについてはほとんど知識がなく、スキップ・ジェームズがクリーム/CREAMのカバー曲『I'M SO GLAD』の作者であると認識している程度。ブラインド・ウィリー・ジョンソンの曲が、ボイジャー号に積まれて宇宙に運ばれた事実も初めて知った。
地球を見下ろす映像のバックで流れるのは、そのジョンソンの曲。映画はこの映像に始まり、この映像で終わる。ボイジャー号は地球外生命に地球の文化を紹介する役割を担い、今も宇宙空間をさすらっている。どん底で生まれた曲が宇宙の彼方に在るという事実は、現代のリアルなロマンとして響くとともに、魂を捜し求めた者がたどり着ける“永遠”の象徴のようにも思える。
写真は、劇中でライブ演奏がフィーチャーされるCREMEの『GOODBYE』。ここに収録された8分を超えるライブ・バージョンの『I'M SO GLAD』では、クラプトンの発狂ギターソロが満喫できる。
劇中で3人のブルースマンの曲をカバーしたアーティストについては、また明日。
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