私の好きなイギリス映画 4

gakus2004-09-12

 メジャー過ぎて挙げるのがはばかれるものの、「フル・モンティ」の音楽ネタについて触れておきます。

 人前で脱ぐことは、なかなかできるものではないけれど、羞恥心を突破して、生活のために男性ストリップに挑む男たち。しかし、男ならではの悩みもあるようで、“全裸のときに勃起したらどうすりゃいい?"などという、しょーもない会話の面白さがいい。飲み屋での会話を思い出してもらえればわかりやすいと思うが、男同士の会話の9割ぐらいは、だいたいしょーもないことだから。

 で、先の問いかけに誰かが“何でもいいから退屈で萎えるものを想像しろ"と答える。例えばこういうもの…という答えとしてガーデニング、女王陛下のスピーチ、セールスマン…などが挙がり、そのなかのひとつに“ダイアー・ストレイツの2枚組アルバム”というものも出てくる。初めて観たとき、これには笑った。(muraさん、ゴメン…)

 ダイアー・ストレイツはイギリスの国民的バンドではあるけれど、これを“渋い”と思って聴いているの多くは中産階級で、この映画の主人公たちである労働者階級の人々には、やはり退屈なんだろうなあ、と。最初の3枚のアルパムはパブロックのようなエッジを感じさせる、いかつい感触もあって、個人的には嫌いじゃない。その後のプログレ化が問題だったのではないかと思いますが…。

 ジャケは本当に2枚組のライブ盤『ALCHEMY』にすべきでしょうが、なくしてしまったようなので代わりにベスト盤を。オリジナルアルバム未収録のシングルヒット・ナンバー『TWISTING BY THE POOL』が大好きなんだけど、こういう正統派のロケンローがバンドの本質から掛け離れていることは、このアルバムの流れで聴くとよくわかる。


フル・モンティ [DVD]

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