ソウルの神様
レイ・チャールズの半生にスポットを当てた伝記ドラマ「Ray/レイ」のお話。
ミュージシャンとしての立身と成功から、ドラッグ中毒を克服するまでを、幼少期の悲しい思い出をフラッシュバックさせつつ描いたもの。麻薬癖に加え、奔放な恋愛遍歴も赤裸々に描かれている。ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスは、なかなかのなりきりぶり。道徳談として必要以上に綺麗に話を着地させているのは、レイ・チャールズが存命中に製作されていたせいもあり、しょうがないところか…。
個人的にレイ・チャールズにはさほど思いいれはないけれど、それでもソウル・ミュージックの生みの親といわれると、なるほどと思わざるをえないエピソードも。神聖な音楽とされたゴスペルと世俗的なブルースを融合させたことが、当時の保守的なアメリカではいかにアナーキーだったか…ということは、勉強になりました。『ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー』を演奏しているところに聖職者らしき人が乗り込んできて“悪魔の音楽だ!”とわめきちらしているシーンは、とくに印象的。その後のロックンロール、パンク、ヒップホップに保守派が眉を潜めるのと似たような光景で、新しい音楽が生まれるところには、つねにそれを押さえつけようとする動きが起こるのだなあ、と。
考えてみると、レイ・チャールズのレコードは一枚も持っていない…ので、どうしたものか迷いつつ、1987年にイギリスのネオモッズ・レーベル、カウントダウンからリリースされたコンピレーション盤『SMASHING TIME』のジャケットを。ここにはTHE UGLY ONESなるバンドの『ハレルヤ・アイ・ラヴ・ハー・ソー』が収録されていますが、これが粋でグルーヴィーなナイス・カバー。
ゴールデングローブ賞といえば、1月10日の日記に記した「アルフィー」の主題歌『OLD HABITS DIE HARD』が主題歌賞を受賞。オスカーでミック・ジャガーのパフォーマンスを観れる確率が高まりました。
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