★LP『UNDERCOVERED BY HEARTBEAT』CHERUBS

 昨秋のデビューシングル『HEY BUNNY』のファンキーなニューウェイブサウンドにぶっ飛ばされ、先ごろのセカンドシングル『CLUB HOOLA HOOPS WALLS』のノイジーな爆走ビートに振り回され、期待をつのらせてのファースト・アルバム。なぜか『CLUB〜』は収録されていないが、それでも大満足の一枚でした。

 ロンドン出身ながら、音はNYパンクそのもの。ケイレンしているような電気的ボーカルはトム・ヴァーレインを思わせる。バックの音もヒリヒリするような音質で、テレヴィジョンにジョニー・サンダースが加入したようなノイズとノリ。緊張感あふれるバンド・アンサンブルで一気に聴かせてしまう。

 アナログで購入したのが正解だったな…と思ったのは、『HEY BUNNY』から始まるB面のたたみかけるような展開に圧倒されたから。CDではないのでトータルで何分ぐらいかはわからないがA面6曲B面5曲で、もう終わり!?と思うぐらいのタイトな内容。ヘンに情感に流されすぎないクールなメロディーも、このバンドのサウンドには似合っていて、このあたりにもムダのない研ぎ澄ましたものを感じる。大器の予感。