意外に硬派

gakus2005-08-11

 昨日に続いて、今秋公開のホラー映画「蝋人形の館」のお話を。

 エンドクレジットで3曲立て続けにダークなロック・ナンバーが流れるが、2曲目に登場したジョイ・ディヴィジョン/JOY DIVISIONの『NEW DAWN FADES』には不意を突かれた。前後の曲は知らないが今風のゴス・ナンバーで、どちらもそれなりに厚みのある曲だったが、これらに挟まれてスカスカの暗いナンバーが挟まっているのだから大胆といえば大胆。しかもベスト盤にさえ収められていない、ある意味通好みの曲である。

 「蝋人形の館」では、他にも“えっ!?"というような意外な選曲があり、イギー・ポップザ・ストゥージズ/IGGY POP & THE STOOGESのナンバーでは『I WANNA BE YOUR DOG』『SEARCH AND DESTROY』のようなメジャー曲ではなく、2NDアルバムから『DIRT』が使われていたりする。そういえば、昨日紹介したインターポール/INTERPOLの『ROLAND』もシングルヒットしたナンバーではなく、アルバムの後半に位置する、あまり日の当たらない曲だった。

 ジョイ・ディヴィジョンの曲もストゥージズの曲にしても、どちらも内省的な詞と異様な雰囲気を持つナンバー。B級映画であるとはいえ、後に引く恐怖を演出しているという上では、選曲者のしっかりしたコダワリが感じられる。

 ジャケは『NEW DAWN FADES』収録、ジョイ・ディヴィジョン、1979年のファースト・アルバム『UNKNOWN PLEASURES』。ジャケのデザインがあまりに有名な名盤。先週のフジロックに出演したNEW ORDERは、このアルバムの『SHE'S LOST CONTROL』をアンコールでプレイしたとか。