ナイスカバー発見

gakus2005-08-31

 ダイアン・レインジョン・キューザックの主演によるラブコメディー「理想の恋人.com」(10月公開)のお話。

 離婚の痛手を引きずるダイアン・レインが、家族のおせっかいによって出会い系サイトに入り、そこで知り合った、これまた恋愛に希望を失っているボート職人キューザックと、少しずつ距離を縮める…という物語。会話のリアリティに力を入れており、クスッと笑えるユーモアが散りばめられた佳作。ストーリー展開に偶然の出来事が多すぎるのが難点か。

 オープニングはリンダ・ロンシュタットの『When Will I Be Loved』で、大人の女性であるダイアン・レインの飾り気のない自然体の雰囲気に合っている。彼女がスーパーで買い物をしているシーンでフィーチャーされているのが、キャット・スティーブンスの60年代のヒット曲『FIRST CUT IS DEEPEST』の女性ボーカルによるフォークロック風カバー。もともとは初恋のせつなさを歌ったポップスだが、最初の結婚の失敗による痛手というヒロインの心情に、うまくはまった感じ。あとからクレジットを見たら、シェリル・クロウのカバーだった。原曲のポップスの甘さを抑え、シンプルに徹して大人の落ち着きをあたえた、ナイスなアレンジでした。

 ジャケはP.P.アーノルド、1967年のアルバム『THE FIRST LADY OF IMMEDIATE』。タイトルどおり、ストーンズの元マネージャー、アンドリュー・オールダムのレーベル、イミディエイトからデビューした歌姫。キャット・スティーブンスと同時期に『FIRST CUT IS DEEPEST』をヒットさせたが、そのソウルフルな歌声で、これまた一味違うナイスなカバーに。もちろん、このアルバムで聴けます。スモール・フェイセスも参加のモッズ必聴盤。

理想の恋人.com [DVD]

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