gakus2005-10-02



★CD『AS IS NOW』 PAUL WELLER

 前作『STUDIO 150』からわずか1年でポール・ウェラーの新譜を聴けるとは。とにかくアーティストとして充実期に入っていることに疑いの余地はなく、これほど気合の入ったウェラー師匠は久しぶり。

 7月に出た先行シングル『FROM THE FLOOR BOARDS UP』に、すでにその予兆はあった。ソロキャリアの中でも、こんな若々しい弾け方をしている曲はそうなかったから。2分30秒に疾走するビートとグルーヴを凝縮した高密度のナンバー。まだ、こんな曲が作れるんだ…と、初めて聴いたときは嬉しくなった。

 で、このアルバム。一曲目の『BLINK AND YOU'LL MISS IT』からしてミドルテンポのグルーヴが大暴れしている。最新シングルとなった『COME ON/LET'S GO』の突き抜けたような明るさ。『BRING BACK THE FUNK』はタイトルどおりのファンキー一直線(サブタイトルにPts1&2と入っているのが、いかにもファンク的。スタイル・カウンシル時代の『MONEY GO ROUND』以来!?)。間奏のトランペットが軽妙さを出している『HERS'S THE NEW ONE』も最高。もちろん、じっくり聴かせるフォーキーな曲やピアノのバラッドもあるが、それらにしても眉間にシワを寄せて演奏しているこれまでのスタイルが想像できない。

 フットワークはあくまで軽く、しかし地面にしっかり足は着いている。これもまた円熟味なり。というわけで、フランツと並ぶ現在のヘビーローテーション。ライブが観たい。そういえば、バンド形態での来日は去年のフェス出演を除くと、『HELIOCENTRIC』のツアー(2000年)以来ごぶさた。あれからスタジオ・アルバムを3枚も出したんだし、そろそろ来てくれてもいいんじゃないですか、師匠!