燃えるハングル

gakus2005-10-15

 韓国映画「トンケの蒼い空」(11月公開)はバンカラ・テイストの活きた青春映画で、いわゆる韓流モノとは一線を画する個人的に好みの作品。「友へ/チング」「チャンピオン」で名を上げたクァク・キョンテク監督が、無目的のままチンピラのように生きている青年の心の成長を、ユーモアと熱を込めて描いている。ボーッとしているがケンカはやたらと強い主人公を、「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンが好演。

 この映画、音楽はコーリアン・ポップスで固められているが、新鮮だったのはボサノバにハングルが乗っていたこと。さらにエンディングでは、スカ風パンクが韓国語で歌われていて、むしょうに熱くなる。以前、南米かどこかの映画でかかっていた、ラテン系の言語で歌われたハードコアパンクにも似た、傍若無人のパワー。ビートに乗っかってる言語の味も、さまざまだなあと感じた次第。となると、日ごろ当たり前のように聴いている日本語のパンクは、海外の方にどのように聞こえるのか、気になるところであります。

 “トンケ"とは韓国語で野良犬の意味。観ていてARBを思い出したのは、『野良犬』というナンバーでデビューしたこともあるが、このバンドも日本語でスカやレゲエをやっていたなあ、と。というわけで、『DADDY'S SHOES』『Naked Body』など名曲テンコ盛りの1981年のアルバム『BOYS & GIRLS』のジャケ。

トンケの蒼い空 デラックス版 [DVD]

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