次のウェス・アンダーソン!?
前回のエントリーでタコ、タコ言った反動ではないけれど、今日は『イカとクジラ』(11月公開)という映画のお話を。「ライフ・アクアティック」でウェス・アンダーソンとともに脚本を手がけたノア・バームバックの初監督作で、彼の自伝的要素が強い物語。
落ち目の作家である父、売出し中の作家である母、彼らの離婚に揺れるハイティーンの長男とローティーンの弟。この4人家族の関係の変化を描いているのだが、それぞれの欠陥人間ぶりは「ザ・ロイヤルテネンバウムズ」をほうふつさせるユーモアとペーソスがあり、ウェス・アンダーソン作品を好きな人ならきっと気に入るはず。
長男のダメっぷりをひとつ例にとると、父親似でプライドが高くインテリを装ってはいるが、訳知り顔をしているに過ぎない。この気持ちはわからないでもないが…。とにかく、この男の子はピンク・フロイドのアルバムに合わせてアコースティック・ギターを弾いてるシーンがあるのだが、そこでマスターした『HEY YOU』を自作の曲と偽って学校の発表会で演奏し、皮肉にも優勝してしまう。バレたときの言い訳は“盗作じゃない。僕にも書ける曲をロジャー・ウォーターズが先に書いただけ"とは、なんともアタタタな男の子。でも、こういう困った時期は誰にでもあると思う。
ピンク・フロイドといえば、もう旧聞だけど、シド・バレットが亡くなったという。ご冥福をお祈りします。
もとい、ジャケはLou Reed、1978年のアルバム『STREET HASSLE』。エンドクレジットでは、このタイトル曲が流れてくる。ワルツ調の物悲しげな音が泣かす…。
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