ドリュー・マイ・ラブ

gakus2006-10-25

 ドリュー・バリモアとデートしたい! そんな願望に向かって奔走する無職男の奮闘を描いたドキュメンタリー『デート・ウィズ・ドリュー』(12月公開)の巻。

 この映画を監督し、主演をも務めたのは、6歳のときに「E.T.」を観て以来、ドリューの大ファンになりファンクラブにも入っていたというブライアン・ハーツリンガー、27歳。クイズ番組で1100ドルの賞金をゲットした彼は、そこでの最後の問題の答が“ドリュー・バリモア”であったことに運命を感じ、この賞金をドリューとのデートと、そこにいたるまでの模様を収めた映画製作に使おうと決意する。とはいえ、なにぶん無職なので生活費にも困っており、製作費は安く抑えたい。そこで大型量販店の返品サービスを悪用し、撮影用のビデオカメラを購入して返品期限ぎりぎりの30日以内に目的を達しようとする。友達の友達の友達のそのまた友達のコネを使い、いたるところに声をかけて、ドリューとの接触を試みるがかなわず。ドリューの事務所にこの映画の予告編を送るが返事はナシ。ツテをたどってエリック・ロバーツコリー・フェルドマンと知り合うことはできたが、そこから先に進むのが難しい。ロバーツに“おまえはスートカーか”と言われ、昔の恋人には“バカげてる”と言われ、父親には“ドリューはムリだから、ジェニファー・ラブ・ヒューイットにしとけ”とトンチンカンなアドバイスを受ける始末。30日の期限は迫り、ブライアンは「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」のプレミア後のパーティに偽造パスで潜入するという、大胆な計画を実行に移すが…。かねがね、ドリューはダメ男の天使を演じることが多いなあと感じてはいたが、現実世界でもそうなっていたとは…。

 はっきり言っちゃって、このブライアンという人はバカにしか見えないんだけど、行動力は見上げたもので、発散されるエネルギーの圧倒的熱量を感じるだけで面白い。落ち込むときはドーンと落ち込むし、テンションが上がるとメチャクチャはしゃぐ。そんな上がりっぷりにかぶさるのは、なぜか80'sの曲が多い。占い師に“最終的にはデートはできる”と言われ、有頂天になり、カーステレオに合わせて歌うのはKATRINA & THE WAVESの『WALKING ON SUNSHINE』。この曲、「ハイ・フィデリティ」ではジャック・ブラックが、朝からやたらと元気に歌っていたっけ。プレミア会場に乗り込む際のBGMはご存知、BONNIE TYLERの『HERO』。そして後半のあるシーンではDARYL HALL & JON OATES『YOU MAKE MY DREAMS』が流れ、モターウン調の陽気なビートがテンションの上がりっぷりに拍車をかける。この曲はタイトルからも明らかであるとおり、ドリューに歌われるようなもの。見ていて、若いっていいなあ…と思ってしまった。

 ジャケはホール&オーツの、この曲を収めた1980年のアルバム『VOICES』。従兄が持っていて、リアルタイムで初めて聴いた彼らのアルバムでもあります。

デート・ウィズ・ドリュー [DVD]

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