濃ゆいほどファンキー

gakus2008-07-01

 『俺たちフィギュアスケーター』がヒットした余勢を駆って日本公開されるウィル・フェレルの最新主演作『俺たちダンクシューター』(8月公開)。そう、今度はバスケットボールを題材にしたコメディー。

 1970年代、アメリカにはNBAの他にもうひとつ、エンタメ性を重視したABAというプロバスケット・リーグが存在していた。この映画は、そんな事実を背景にしている。フェレルが扮するのは一発屋の歌手で、印税でABAの弱小チーム、トロピックスを買い取り、オーナーと監督、選手、エンターテイナーを兼任している。そんなある日、リーグの解体が決定。リーグ戦の上位4チームはNBAに吸収されるが、それ以外のチームは解散を余儀なくされるのだ。かくしてフェレルは元NBAの補欠選手(ウディ・ハレルソン)をチームに引きいれ、ベスト4入りを目指して奮闘する…。フェレルは相変わらずバカっぷりを披露しているが、『俺フィギ』に比べると全体のバカ度は控えめ。これは負け犬たちの奮闘に重きを置いた結果で、その部分を牽引するハレルソンは比較的シリアス・キャラ。しかし、そんなスポ根のアツさと、おかしさがほどよく調和して、個人的には大好きな一作となりました。

 劇中のフェレルの一発ヒット曲“LOVE ME SEXY"はソウル風のエロ・ソングで、なんと実際にアメリカではシングル発売されたとか(歌手名は役名でもあるジャッキー・ムーン)。濃いキャラのフェレルが、これを思い入れたっぷりに歌うと、もうそれだけでおかしい。ちなみに、この曲のプロデュスはシックのナイル・ロジャース。で、↓これがその曲のPV。

 で、既成曲のセレクトも70年代的なファンキー・ソウル主体。SLY & THE FAMILY STONEの曲が2曲聴ける他、AVERAGE WHITE BAND"PICK UP THE PIECES"がアウェー戦の試合会場で流れたり、OHIO PLAYERSの"LOVE ROLLERCOASTER"がハーフタイムで流れてきたりと、とにかくノリノリで楽しい。

 ジャケはAVERAGE WHITE BAND、"PICK UP THE PIECES"を収録した1974年のアルバム『AWB』。