ファイトすべし

gakus2008-07-04

 ジェームズ・マカヴォイアンジェリーナ・ジョリー共演の『ウォンテッド』(9月公開)は、アメリカの人気グラフィック・ノベルを映画化したアクション。

 職場では上司に怒鳴られ、家では恋人を親友に寝盗られ、パニック発作用の薬に日々お世話になっている、冴えない青年ウェズリー(マカヴォイ)。そんなある日、ジョリーふんする女暗殺者が現われ、彼が特殊な能力を持った暗殺者一族の末裔であると告げる。で、ウェズリーはこの組織の一員となって負け犬人生から脱出、殴られ蹴られの猛特訓を積んで殺し屋となり、父を殺した敵を追うのだが…。『トレインスポッティング』や『ファイト・クラブ』を『マトリックス』のノリでやってみた…という雰囲気が面白い逸品。弾丸を曲げたり、車でアクロバティックに回転したりなどの、肉体感覚でメカを描写するセンスも好きだ。監督は『ナイトウォッチ』のティムール・ベクマンベトフで、これが本格的なハリウッド・デビュー作となる。

 前半、胃が痛くなるようなウェズリーの毎日に重なるのが、NINE INCH NAILS”EVERYDAY IS EXACTLY THE SAME”。このタイトルまんまのセリフがウェズリーのナレーションで語られ、いかにもオルタナといった感じの鈍い響きによって、やりきれなさも増大する。ジャケはこの曲のシングル、2006年リリース。

 そんなウェズリーが組織に入ることを決意して、上司に罵声を浴びせ、恋人を寝盗った親友をキーボードでバコーン!とぶん殴って会社を後にするシーンの曲も印象に凝ったが、これはスコアを手がけたDANNY ELFMANの”THE LITTLE THINGS"というナンバー。ボーカル入りの曲だけど、本人が歌っているのかどうかは不明。この曲のPVがあったので、予告編代わりに貼っとこ。